某メーカーさんより要望がありまして、業界用語の説明コーナーを設けました。 少しずつ紹介していこうと思うんじゃけど、いざ書こうと思うたら、なかなか思いつかんもんじゃてぇ。建築用語の広島弁も紹介。 皆さんの方で、「○○○」というのは、どういう意味なんじゃろうかという質問がありゃぁ、どしどしメールか掲示板にて質問ください。
あ行 | ALC HT HI RC Rにする 圧着貼り イモ 牛木 エルボ
FRP 大引き 大壁 追い貼り
追う・追い出し 追い焚き |
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か行 | カラン 階高 型枠 矩計図(かなばかりず・くけいず) 矩(カネ) 鴨居 キザミ 基礎 躯体(クタイ) 沓摺(クツズリ) 桁(ケタ) こまい |
さ行 | サシガネ サポート 仕舞いをつける しゃくる 真壁(しんかべ) 水栓ソケット スラブ スリーブ ステージ 墨出し(すみだし) 筋かい 背割り ソケット |
た行 | たたく タテマエ タテリ ダクト タル木 玉掛け だんご貼り チリ チーズ 中連窓 束 束石 吊り元 天端(テンバ) 点検口 鉄砲 天井廻し縁 土台 トメ トロ詰め |
な行 | 長押 中込め 二重トラップ ヌスミ |
は行 | 斫る 破風 鼻かくし 巾木 掃き出し窓 バイブレーター
バルブソケット ヒモ フェルト 舟 VP VU ホゾ ボイド バチる バッサ |
ま行 | 水を見る・水を出す 見付(みつけ) 見込(みこみ)
見切り(みきり) メンを取る モルタル |
や行 | 屋根じまい |
ら行 | ライニング銅管 ラス ラス板 レベルを出す |
RC・・・鉄筋コンクリートの事。
Rにする・・・円弧・半円状の状態にする事をいう。
ALC・・・軽量気泡鉄筋コンクリートの事を云う。普通のコンクリートに比べ、軽く切断加工出来る。主に、鉄骨住宅に使うが、最近は木造でも使う。これに対し、従来のコンクリートをRCと呼ぶ。
圧着貼り・・・タイルを貼る工法の一つで、中塗り(中込め)で平たんにした面に、接着剤をつけ貼って行く方法
イモ・・・柱の組み方で、ホゾ穴をあけずに切放しのまま、釘やカスガイなどで組むやり方。枠の組み方でコーナーを45°で切って組み合わせず、切り放しで組み合わせる方法。
牛木(うしぎ)・・・棟の下に位置する天井裏の中心的な材料で梁の上にある丸太のまま使用する事が多い。
HI(エッチアイ)・・・耐衝撃ビニールパイプ。(最近の建築物の給水には、良く使われている)
HT(エッチティー)・・・耐熱給湯管(ビニール製)
エルボ・・・パイプとパイプをLの字につなぐ継手・曲り。
FRP・・・強化プラスッチック 熱硬化性の樹脂とガラス繊維で出来た素材で『錆びない』『腐らない』『軽い』『電気を通さない』『強い』などの特性があり、浴槽・船舶・自動車など幅広く使われている。
大壁(おおかべ)・・・真壁に対して、柱を板やボードなどで、隠してしまいクロスやペンキで仕上げてしまう仕様の事を云う。少々柱にフシやキズがあっても分からんよの!⇔真壁(しんかべ)
大引き(おおびき)・・・土台から土台へ、架へ渡した土台となる材料の内基礎の上に乗らないものを呼ぶ。束で支持する。
追う・追い出し・・・基準となる所から寸法を測る
追い貼り・・・壁、床、天井材のリフォームなどで、既存の材料を剥がさずにその上に、新しい材料を貼る事。安価にリフォーム出来る。床がCFシートの場合、その上に直接CFシートを貼る場合もあるが、端口の処理等の納まりを考えなければならない場合もある。
追い焚き・・・浴槽などに貯まった湯が冷めた時、その湯をボイラーへ循環し沸かし直す事を云う。通常、ボイラー側は給湯の回路とは別の回路を使用する。
階高・・・カイダカと読む。読んで字の如し、ある階の床面から、その上の階の床面までの高さのことを云う。
型枠・・・コンクリートなどを決められた形にする為に合板やパネル木材・鉄パイプなどを使って作った枠。この中にコンクリートなどを流し込む。
矩計図(かなばかりず・くけいず)・・・建物の断面の詳細図
矩(カネ)・・・直角を指す言葉。『カネが出とらん』出金されてないの意味ではなく、直角が出ていないという意味です。
カラン・・・水栓の事を指す。オランダ語なんじゃそうな。
キザミ・・・木材を現場ですぐ組めるように予め加工しておく事を云う。通常現場ではなく材木屋さんの一角を借りたり、大工さんの作業場で加工し、現場にはその材料を持って行き、上棟となります。
躯体(クタイ)・・・コンクリート住宅などの建築上の壁の事を云う。
沓摺(クツズリ)・・・開き戸の出入り口の下の横枠の事を指す。
鴨居(カモイ)・・・室内の入口等の上に位置する材料で、和室では襖などの上の高さに柱と柱との間に通す化粧材
基礎・・・文字通り建物の一番下に位置するもので、最近はもっぱら鉄筋コンクリート製のものが多い
桁(ケタ)・・・柱と柱の上に架け渡した大きな材料で、柱の2倍・3倍もある材料
こまい・・・土壁の下地となる材料で、竹を割った物を縄で編んだもの。最近はプラスタ・ボードなど代用される事が多い
サポート・・・コンクリートの圧力から、型枠を守る為の鉄製の支持棒。長さをボルトで調整出来る。
しゃくる・・・木材の一部を凹状態に薄く削り取ったり、角を薄く直角に切り取る事。
真壁(しんかべ)・・・和室など、柱を隠さず仕上げる仕様の事を云う。外壁でも柱を出して白壁で仕上げたりしている仕様の事を真壁という。フシなどは、隠れる方向に向けて柱を建てる。⇔大壁(おおかべ)
水栓ソケット(水ソケ)・・・蛇口等取付ける時に使うヤクモノで、片方が雌ネジもう一方がソケットになっている。
墨出し(すみだし)・・・建物を建てる上での基準となる印を付ける事を云います。建物は、いろんな職種の人の共同作品です。各職人さんそれぞれの物差しで作業すると、良い建物は出来ません。そこで、図面に基づき基準となる物差しで、統一した印、例えば水平や、垂直の線を、柱や壁床等に付けます。各職人さんは、この印に基づいてそれぞれの作業を進めます。この印の事を墨。印を付ける事を墨出し、墨打ちとか云います。墨の入った綿の中に糸巻きから延ばした糸を通し、その糸を張って真直ぐな線を打つところから、こう呼ばれています。
筋かい・・・柱と柱の間に、対角線に入れた補強材の事を云う。鉄骨構造じゃったら、ブレスとも云い、スラブ下にも入っとる。
スラブ・・・建築上の床の事で、主にコンクリート住宅で使う。居室の床はフロアと云うて区別しとる。スラブ天(S・L)云うたら、コンクリートの床の上端の事を云い、フロア天(F・L)云うたら、スラブの上の仕上げ材の上端を云うんじゃ。
スリーブ・・・配管などが、床・壁を貫通する時に開ける、円筒形の穴。
ステージ・・・足場等に設けられた資材搬出入の為の広い場所
背割り・・・柱などの木材に、乾燥によるひび割れを防ぐ為、予め柱を建てた時見えにくい面に切れ目を入れておく事。
ソケット・・・パイプとパイプを直線でつなぐ継手。
仕舞いをつける・・・仕上げる。キリの良い所まで作業を済ませる事
サシガネ・・・直角になった金属の定規
ダクト・・・通風路の事。換気扇などの排気を送る管。送風管。
たたく・・・トンカチで何かを叩くとかではなく、『現場の作業をする』とかの意味に使う。『あんたぁ、えらい現場に詳しいが、タタキおるんかいの?』という使い方をする。
タテマエ・・・上棟・棟上げ・柱建て・建て方とも云います。
タテリ・・・垂直度を指す言葉で、標準語では『タチ』が良いとか悪いとか云うらしい。広島では『タテリが出とらん』というと、柱など垂直に立っていなきゃいかんものが、垂直でない事を意味します。
だんご貼り・・・タイルを貼る工法の一つで、下塗りしたモルタル面にタイルの裏にだんご状のモルタルを乗せて貼っていく方法。
玉掛け・・・フンドシの事ではなく、重量物をクレーンなどで吊る場合、その重量物になわ掛けする事を云う。ワイヤーロープやスリング(布の帯)などで行う。
チリ・・・ホコリとかゴミの事を云うんじゃないで、仕様の異なる物とのスキ間や段差の事を云う。ドアとドア枠との間の僅かなスキ間・壁と窓枠やドア枠あるいは、柱との段差などを指す。ドアが少しナナメに取り付けてあったら「上下のチリが違おうがい?ようにらんで見てみい!」とかいう云い方をする。
中連窓・・・『ちゅうれんまど』と云う。掃き出し窓に対して、壁の途中から開口している窓の事を指す。
吊り元・・・開き戸の丁番のある方を指す。一般的に戸が開く方側に人が立って、丁番が右か・左かを云う。
チーズ・・・3本のパイプをつなぐ継手。T字の形をしている。
点検口・・・床下や天井裏などに設けられた、メンテナンス用作業口
天端(テンバ)・・・物の上面を云う。(うわば)とも云う。
天井廻し縁・・・洋間の壁の上側・天井との境に貼る化粧板。
鉄砲・・・コンプレッサーで釘などを打つ事を指す。
トロ詰め・・・マグロの最高級肉で腹の部分の肉の詰め合わせじゃのうて、コンクリート住宅や、鉄骨住宅などの窓サッシは、建物に溶接して取り付けるんじゃが、取り付けた後、サッシの枠と建物の躯体との間にモルタルを流して埋める事を云うんじゃ。
トメ・・・枠など仕上材を直角に接続する方法で、それぞれの端部を45°に斜めにカットして合わせる方法。これに対し、切り放しで合わせる方法は『イモ』という。
土台・・・基礎の上で、家全体を支える木。固くて強い。基礎のコンクリートとは、アンカーボルトで固定されている。
タル木・・・構造材になる材料の間に流す下地材で、床なら土台の上、屋根なら母屋の上、壁なら柱間に使用する。一般的に平タル木(45×36)と並ダル木(36×36)がポピュラー
束・・・基礎のない部分の大引きなどへの荷重を下から支える柱くらいの太さの木
束石・・・束の下にあって、束を支えるコンクリートブロック
中込め・・・圧着貼りタイルの下地で、モルタルで、壁・床などを平らに塗る作業の事
長押・・・『なげし』と読む。和室の鴨居の上に取り付ける、薄い三角形の征目の板。
ヌスミ・・・泥棒の事ではなく、壁などに仕上材が入り込む事が予め分かっている場合、その部分の壁(奥行きを利用)を欠いで造る事を『ヌスミを入れる』という。
二重トラップ・・・排水管にトラップを2個直列に設ける事。排水の流れを阻止するため、直列排水系統に1つ以上のトラップを設けるのは良くない。
バイブレーター・・・コンクリート打設の際、中に入った気泡を排出する為の震動を与える棒状の工具
バチる・・・平行でない事を指す言葉で、これは他県の人に話しても通じない。当社の得意工事、ユニットバスなどが建物の壁と平行に据付けられていない時など『UBがバチッとる』とかいう云い方をします。
バッサ・・・左官さんが良く使う言葉で、モルタル(セメントと砂と水を混ぜた物)に砂を多めに入れ混ぜた物で玄関や、浴室の土間タイルの下地材に良く使われる。これと反対で、セメントに砂を入れず、水と混ぜ合わせただけの物を「ノロ」と言う。
バルブソケット(バルソケ)・・・バルブの前後につくヤクモノで片方が雄ネジ。もう一方がソケットになっている。
斫る・・・ハツルと読む。ワードでハツルと打ち込み変換しても出てこない。事務員さんから「斫る」ってどういう事ですかと聞かれ、初めて一般には使わない言葉なんじゃと気が付いた。斫る(はつる)とは、表面を砕いて削り取る事で、通常電動ハンマー等でコンクリートやブロックを砕いて削り取る事をさす。建築業界では、ひんぱんに使われる言葉で、ポピュラーな言葉の1つ。
巾木・・・洋間の壁の下側、床との境に貼る化粧板の事。ビニール製の物をソフト巾木と云う。
掃き出し窓・・・昔はほうきで掃いて掃除していたので、ゴミを掃き出せるように、床面から開口している窓の事を云う。
フェルト・・・ラス板の上に貼る黒い防水紙
舟・・・左官さんがモルタルを練る、トロ舟の事を指す。
VP(ヴィピー)・・・ビルの給排水や木造の給水に使われるビニールパイプ。(VUに比べ肉厚)
VU(ヴィユー)・・・木造住宅の排水に使われるビニールパイプ。(VPに比べて肉薄)
ホゾ・・・柱や梁など木材を組み合わせる際、片方の木材に穴をあけ、反対側の木材の先をその穴に埋まるように加工して、組み合わせる場合、その加工した穴をホゾ穴と呼ぶ。また、梁と梁などをつなぐ場合、お互いの木材がかみ合うように加工する事をホゾを切る等云う。
ヒモ・・・サッシ枠と柱、柱と合板などの間に出来る小さな隙間を隠す化粧木(10~15㎜角)
破風・・・屋根の下の母屋の端口を隠す化粧板
鼻かくし・・・屋根の下のタル木の端口を隠す化粧板
ボイド・・・厚紙で出来た円筒形の物、各柱サイズ有り。コンクリートの床や壁に予めスリーブを入れる時などに使用する。
水を見る・水を出す・・・レベルを出す 水平を確認する。水平の墨を打つ事を云います。今は便利な機械がありますが、昔は水平の印を付けるのに建物の柱と柱の間に透明なホースを結び、そのホースの中に水を入れて床に垂らしてホース両端の水面に印を付けて、水平を出していました。それでこう呼ばれています。現在は、「レベルを出す」とも云います。
見付(みつけ)・・・材料を正面から見た巾の事をいう。
見込(みこみ)・・・材料を正面から見た時、その奥行。
見切り(みきり)・・・壁などで、仕上げの異なる境目の納まりの事。
メンを取る・・・材料の角をとる事。仕上材だと角に当たるとケガをしやすいので、角をとる事をこう云う。
モルタル・・・砂とセメントと水を混ぜた物。これに枠石を入れたものがコンクリート。
ライニング銅管・・・給水パイプで、内側にビニール被覆した銅管。
ラス・・・ラス板・フェルトの上にモルタルを止める為の鋼製の網
ラス板・・・壁などモルタル仕上げの下地となる板で、柱・間柱を横につなぐ板。